環境
広島電鉄株式会社では安全対策やバリアフリー化のみならず、環境対策にも積極的に取り組んでいます。
電車に関する取り組み
省エネ車両の導入
制御方式の改良
【VVVFインバータ制御方式】
VVVF(Variable Voltage Variable Frequency:可変電圧可変周波数)インバータ制御装置は、電車の加速力や速度に応じて電圧や周波数を変化させながら交流モーターを動かす制御装置です。これにより、電気抵抗を使わずにモーターの回転数を効率よく制御することができ、省エネルギー化に寄与しています。
新幹線や他社の鉄道事業者でも多数導入されており、3800形(9編成)、3900形(8編成)、3950形(6編成)、5000形(12編成)、5100形(10編成)、1000形(18両)、5200形(9両)の各車両で採用しています。
5100形(10編成)
5000形(12編成)
3800形(9編成)
3900形(8編成)
3950形(6編成)
1000形(18両)
【チョッパ制御方式】
チョッパ制御とは、電流のON-OFFを繰り返すことによって直流電源から、実効値として任意の電圧や電流を擬似的に作り出す電源回路の制御方式です。
主に電車の主電動機の制御や直流安定化電源等に用いられ、抵抗制御に比べて、熱によるエネルギーの損失が少なくなるというメリットがあります。3500形(1編成)、800形(14両)の車両で採用しています。
※3500形は現在営業運転しておりません。
3500形(1編成)
800形(14両)
回生ブレーキシステムの採用
回生ブレーキシステムとは、電車がブレーキをかけた際にモーターを発電機として作動させ、発生した電気を架線に戻すことで他の電車が使えるようにする方式です。
上記のチョッパ制御方式およびVVVF制御方式では、回生ブレーキ式になっており、電気の再利用など、環境に優しい車両となっています。
弾性車輪の採用
レールの上を鉄輪の車両が走行しているため、走行時には騒音が発生していますが、沿線への防音対策として、5000形(12編成)、5100形(10編成)、1000形(18両)、5200形(9両)には、走行時の騒音の少ない弾性車輪を採用しています。
軌道の整備
芝生軌道の整備
軌道敷の緑化と低温化を図るために、海岸通電停から広島港電停間、紙屋町西電停から本川町電停間の一部において、軌道に芝生を植樹し、環境や都市景観に優しい軌道づくりに配慮いたしました。
芝生軌道表面と、アスファルト表面の温度差は14.5度となり、ヒートアイランド防止にも効果があります。
元宇品口電停〜広島港電停間(52m)
(2003年3月)
海岸通電停〜元宇品口電停間(204m)
(2008年3月)
【芝生軌道とアスファルト舗装の表面温度測定結果】
測定箇所 | 測定温度 | 芝生表面との温度差 |
---|---|---|
芝生表面 | 33.1度 | - |
アスファルト表面 | 47.6度 | +14.5度 |
コンクリートブロック表面 | 39.7度 | +6.6度 |
調査日次:2004年8月3日14時
調査場所:宇品線 元宇品口電停〜広島港電停
気温:30度
芝生表面での測定
アスファルト表面での測定
制振軌道の整備
新広島港宇品旅客ターミナルの移設に伴い、軌道敷が宇品居住区に近接することから、低振動・低騒音軌道構造である制振軌道を導入し、騒音対策に努めました。また、表面には芝生を植樹し環境への配慮に努めました。
元宇品口電停〜広島港電停間(101m)(2003年3月)